嘆き(SORROW)の私的解釈
この人物は阿難という人物で、仏陀に22年もの間身のまわりのお世話をしていました。
そして仏陀が亡くなり、その横で泣いている阿難を見て弟子たちが「完全に満たされて死んだのだ」と彼に言います。
阿難は「私は彼のために泣いているのではなく、何年も一緒にいたのに、成就していない自分に泣いているのだ」と。
その夜、彼は深く瞑想し、痛みを感じ、嘆き悲しんでいました。そして彼は朝になって光明を得たと言われています。
彼のようにどうしようもなく嘆き悲しい時こそ、その奥に大きな変容が起こる可能性が潜在しています。
しか変容が起こるには、痛みそのものにまで入っていき、あるがままの痛みを体験したその先に、光明が指しているかもしれません。
嘆きのカードの男性、かなり悲しげですね。
かなり辛そうよね。でもこれは時間が彼を解決したわけではないのよ。
辛い時は泣いてスッキリみたいな感じではないんですね。
彼は逆に嘆いている自分の中に入っていき、傷つく自分と向き合い、そこから光明を見出したの。
辛い時こそ立ち向かって行ったんですね。
傷ついたから、分かること。そんなことってなかったかしら。
変容は周りからも非難を浴びるかもしれない。その状況に自分を追い込むかもしれない。そんな厳しい状況から、痛みを伴い進んでいけば、きっと光が差す時もあるわ。そこに新たな気づきを得て、その先の道へと進み続けることができるはずよ。
嘆き(SORROW)のカードデザイン
阿難という男性は仏陀が亡くなり、22年間も寄り添っていながら、自分自身は何も変わっていないと嘆いている姿です。
このカードの奥にある銀の分厚そうな壁は少し開いています(これは自身の弱い部分を表現しているのかなと考えます)。
その先には夜空の星たちが輝いています。
銀の壁は自身の未熟さで、今にも閉まりそうになっています。嘆きと向き合う、そこから起きる痛みを伴い、自身の気づきが出会えた人しか見る事のできない景色が扉の先にある綺麗な夜空のように感じます。